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番外編: 春風亭昇太 ストレスの海 [落語]

落語 春風亭昇太 ストレスの海




笑点で紹介されていました。



三味線栗毛(しゃみせんくりげ)
五代目三遊亭圓生

○「マア何(なん)だネ、これから大きに生計(くらし)宜(よ)くなるぜ」
□「そうかえ」
○「今日の米の相場を聞かねえかい」
□「知らねえ」
○「両に五斗五升だとヨ」
□「有難え。それは楽だ」
お篤(かご)の裡(うち)で洩れ聞いた殿様が、これは良い事を聞いた、米が両に五斗五升で、町人は余程楽と見えるな――殿中へお出でになると、それぞれお詰所に御大名がおります。
〇「これはお早い御登城」
△「イヤ大きに遅刻いたした」
○「市中の様子は如何(いかが)でござるな」
△「されば、町人はこの頃ズント暮らし宜(よ)うござるな」
○「左様か」
△「今日の米の相場は両に五斗五升だそうで」
○「是は恐れ入ったな。米が両に五斗五升…。その両というは何両で」
△「ウム…百両…」
 ここらが御大名の了簡で…。中にまたどうかすると恐ろしく下情(かじょう)に通じた殿様が出来あがる事もあります。何時(いつ)自分か年代も分りませんが、酒井雅楽頭(さかいうたのかみ)という御大名の若殿、角太郎(かくたろう)様、これは間に姫様を挟んでお三人目で…ところがどういうものか、大殿とお気質が合いません。最もお部屋腹ではありますが、大殿は前(ぜん)申し上げたような御大名風で、その頃は万事寛裕(おっとり)とした御気性だが、若様は至って闊達の御気風、ソコで巣鴨鶏声ヶ窪(けいせいがくぼ)の御下屋敷の方へ遣られ、お賄(まかない)は僅か五十石で、用人の清水吉兵衛という人が忠義者で、よくお守(もり)をして、成るたけ入費の掛からぬようにいたし、御徒然(おとぜん)の時には盛り場所へ御案内をする。その頃盛り場といえば観物(みせもの)や何かあって、最も賑やかなのが両国、或いは芝の久保町(くぼちょう)、下谷(したや)の山下、神田の筋違いの八辻ヶ原(やつじがはら)、浅草観音の境内、これは今日も誠に賑やかでございますが、そんな所へ御案内をしてお気を慰さめ、夜に入りますと御学問をお仕込み申し上げる。お賄(まかな)いが少ないから吉兵衛夫婦が手内職をして、そのお鳥目(ちょうもく)をつぎ込むというようにしております。若様は至って御壮健で、お一人で日々活発に遊んでお在(いで)なさるが、何(ど)うかすると、吉兵衛が内職にでも気を取られているうちに見えなくなる事がある。驚いて彼方此方(あっちこっち)と尋ねております所へブラリお帰りになります。





タグ:春風亭昇太
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