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番外編: 春風亭柳昇 カラオケ病院 [落語]

五代目春風亭柳昇 - カラオケ病院

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春風亭昇太の師匠ですね。(ウィキペディア)



三味線栗毛(しゃみせんくりげ)
五代目三遊亭圓生


吉「お帰り遊ばせ」
若「今戻った」
吉「若様お一人でお出掛けになりましたか」
若「ウム一人で参った」
吉「御大身(ごたいしん)の若君が軽々しく御外出遊ばし、万一御上屋敷へ知れますると、吉兵衛が役目の落度に相成ります。以後は左様軽々しき事は遊ばしませんように」
若「イヤ吉兵衛、免(ゆる)せ、大方其方(そち)が小言をいうだろうと思ったが、しかし吉兵衛、偶(たま)には一人で歩いて見んと分らんから、ソッと其方(そち)に知れぬように参ったが、以後は謹(つつ)しむから免(ゆる)せ」
吉「恐れ入りました。シテ何方(どちら)へお出でになりました」
若「両国へ参った」
吉「やはり向こう両国へ」
若「向こう両国、何か知らぬが両国へ参った」
吉「アノ長い橋をお渡りになりましたか」
若「渡った/\」
吉「何を御覧遊ばしました」
若「先日其方(そち)が斯様(かよう)な物を見てはならぬと言った、菰張(こもばり)の観物(みせもの)へ這入(はい)って見た」
吉「怪(け)しからん所へお這入りになりましたな。何を御覧遊ばしました。御意(ぎょい)に適(かな)いましたか」
若「少しも気に入らぬ。水の中で笛を吹く河童の化物を見たが、あれは正真(ほんとう)の物か」
吉「偽物(ぎぶつ)、造り物でございます」
若「ウーム、偽物(ぎぶつ)を似って衆人(しゅうじん)を欺(あざ)むくとは怪しからん奴だな」
吉「アノ刻限にお出でになりまして、さぞ御空腹でございましょう。何(いづ)れでかお昼食(ちゅうじき)を遊ばしましたか」
若「どうも分らんで困った。ソレ先度(せんど)其方(そのほう)が此処(ここ)にあるは皆、料理屋だと教えたな。アノ洒落(しゃれ)た茶屋と申した家(いえ)で昼飯(ちゅうはん)をいたした」
吉「洒落た茶屋、左様なお茶屋はございません」
若「ソレ両国へ参った時に、これは何じゃと尋ねたら、茶屋小屋じゃと申したではないか」
吉「両国の此方(こっち)河岸では、梅川、萬八、柳屋…」
若「そんな家ではない、橋の向こうじゃ」
吉「中村屋、柏屋、青柳」
若「そうでもない」
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